部下の部下のことが気になって

「いいな」と思われたら押してください。

　「組革研」に参加する以前の私は、業務計画の立案に、私が細部まで考えて見通しを立て、部下のリーダーたちに具体的な作業のすすめ方まで指示していました。忙しさを最大限配慮したつもりでそうやっていたのです。彼らからは「そういうふうにやるんですね」という冷めた反応しかありませんでした。
　「組革研」での「細々した指示は不要」という教えは、もともと私は部下たちには力があると信じていましたから、すぐに腹落ちしました。そこで、次年度の業務計画は、コーポレートビジョン・技術戦略を基に、私が開発目標を立て、すすめ方は４人のチームリーダーに任せると決意しました。
　チームリーダーを前に「今年度の開発目標の〇〇は何としてでもやり切る、そのための方策は君たちが考えて欲しい」とだけ告げました。
　反応は様々でした。目標達成を強く意識して、チームメンバーと考え抜いたと思われる提案をするリーダーもいれば、やり方を決めるのは上司の役割だという、今までの姿勢から脱却できない者もいました。変わらないリーダーも、決して手を抜いてやろうというつもりではないはずと思い、その後も何度か「目標達成には、自分たちですすめ方を考えないと…」と私は話したのですが、動きは変わりませんでした。
　私は、このリーダーの下にいるメンバーのことが気になり、自分の部下をどうするつもりなのか問いただすしかない、と考えました。ところが他部署への異動が決まり、それは止めざるをえないことになりました。
　見守ることしかできない今でも、彼らを自分事とさせるには、私が決めてしまった開発目標を、彼らと一緒に議論するべきだったのかなどと、思い悩んでいます。