「苦手」が「興味」に

「いいな」と思われたら押してください。

　国内営業から海外営業に異動して１年、新市場の拡販プロジェクトを任されることになりました。けれど、新しいことへのチャレンジに苦手意識を持っていた私は、何から手をつければよいのかと四苦八苦していました。そんなときに「組革研」参加の指名を受けたのでした。
　何とか手掛かりをつかみたい、そう意気込んで参加しました。「Ｓ－２０」の仕組み解明のための調査では、さっぱりわからず、嫌気が増すばかり。ところが、少しずつ仕組みが見えてくると、もっと知りたい、解き明かしたいと、いつの間にか夢中になっている自分がいました。その時、気がついたのです。苦手意識を持ってしまうのは、「対象」と向き合わず、やり方ばかりを考えていたからなのだと。
　職場に戻った私は、「対象」である顧客のニーズを掴むことをプロジェクトの最重要課題と決め、再出発することにしました。まずは契約の代理店となる現地のパートナー会社とともに、顧客を徹底的に調べるための調査項目を洗い出しました。
　いざ実行となった矢先、コロナ禍で現地に赴くことができず、やむなくパートナー会社に全てを託すことになってしまいました。案の定、度重なる的外れな回答、不安がぬぐえずにいました。
　パートナー会社にとっては大きな商談で、彼らは我々の意図を理解しようと必死でした。そんな状況が功を奏したのか、彼らは、「こういう機能が欲しかった。この仕様なら価格帯はこれくらいで」など顧客が求めていることを突っ込んで聞き出してくれました。おかげで契約へとつながったのです。
　「『対象』がどうなっているのか」が大事だと改めて実感しました。過去の経験則に頼らず、「対象」を意識し続けていきます。