周りの人たちを巻き込んで

「いいな」と思われたら押してください。

　今年、設計部門からよりお客様に近い部門へと異動、進行中の新製品開発プロジェクトにも加わることになりました。私は、「組革研」で「まずは『対象』を明らかにすることから」を体験し、これまでそれを職場で実践してきたつもりです。異動先でも、「対象」となるお客様のニーズを掴まなければと意気込んでいました。
　プロジェクト会議で、新製品の試作品資料を見たときのことです。その外観で気になる部分がありました。私は、「お客様のニーズは？」と疑問を持ち、お客様に試作品の評価をしてもらうことを提案しました。ところが、製作を担当する技術部門からは、「品質基準に沿っていれば問題ない、そんなことをするメリットはあるのか」と反対されてしまったのです。プロジェクトとしては、当社の高い品質基準に沿って高性能な開発をすすめればよいという考え方です。
　私は納得がいかず、お客様とのやり取りがあるサービス部門に相談しました。すると、今までと違う外観に、過去のデータを持ち出して「これはちょっと…売れないかも」と話してくれたのです。
　そこで、アドバイスをサービス部門に求めて、お客様が望むような試作品の製作準備に取り掛かろうとしました。これまでの経緯をプロジェクトで報告すると、「メリットがない」と言っていた技術部門が試作品作りに参加することになったのです。静観していた上司や先輩からも他部署との連携についてアドバイスをいただけるようになり、少しずつですが、周囲の変化を感じています。
　お客様のニーズからスタートすることの重要性を改めて思い知りました。周りの人たちを巻き込んで、このスタイルを浸透させていきます。