やり切った体験が…

「いいな」と思われたら押してください。

　商船に搭載される当社の製品は世界中で利用され、そのメンテナンスは、主に現地代理店に委託しています。年々高度化していく機器を扱えるよう、技師の継続的なトレーニングが不可欠です。一方では、トレーナーとしての技量を持つ社員が世代交代等で不足し、その育成が急務となっていました。
　しかし、トレーナーを専任で置く余裕がないため、それを営業技術とサービス部門の業務に加えることにしました。その中の４人を指名し、面談することに。その時の彼らは、通常業務に加えてトレーナーまでやるのかという不満からか、「わかりました」と渋々答える状態でした。
　育成は、実際に開催する「トレーニング」のトレーナー体験、その準備から始めます。スタートしてみると、「準備時間が足りません」「私はこれだけやっているのに、○○さんは…」など不満ばかりを言って来ます。そのたびに「技師の技量不足は顧客への不信につながる、俺たちがやらなければならない問題なんだ」、と一蹴したのです。
　彼らは、腹を括ったのか、連日連夜、休日返上で準備をすすめました。準備が佳境に入り、いよいよトレーニングの肝ともいえる実機を使ったトラブルシューティングの資料作り。「そこまで詳しくなくても…」「いやもっと丁寧にした方が…」と一歩も引かず、険悪な雰囲気になったことも。ぶつかり合いは茶飯事でしたが、どうにか本番にこぎ着けました。
　終了後のアンケートも概ね高評価でした。一方「機器に触る時間が少なかった」など厳しい意見もあります。早速彼らは、次回の課題として準備をはじめていました。最近では、「トレーニング」を受けた技師から彼らに直接相談メールが届くようになり、自信にもつながっているようです。体験を積み、ひとり立ちしていくことを楽しみにしています。