いま言えば総て台無し

「いいな」と思われたら押してください。

　いつの間にか夢中になった「組革研」。下期「Ｓ－２０」でタイムアウトになった途端、悔しさが込み上げ涙が出そうになりましたが、同時に浮かんできたのはやり切った感でした。忘れられません。職場でも部下が全力を出して喜び、悔しがり、やり遂げたという思いを一緒に味わいたい。
　しかし職場の部下の状態は、その後に聞いた「ロボット症」そのものです。今後は絶対に指示を止める。そう思い、張り切って出社しました。
　ところが目に飛び込んできたのは台風被害を大きく受けた工場の姿でした。自職場の工程もストップしています。遅れをどう取り戻せるのか。
　その一方で、今こそチャンスだとも思えました。この逆境を自分たちの力で乗り越えれば現場の意識は必ず変わる。さっそく私は現場作業長、チームリーダーを集めて各工程の期日だけを伝え、どのようにして納期に間に合わせるかは任せると宣言しました。
　半ば予期していたとおり、いつもの反論が始まりました。やれ人が足りない、工数がかかるなど、できない理由ばかりです。ここで私が細かく指示してしまえば今までと何も変わりません。とにかく自分たちで考えてすすめるよう伝え、ブツブツ言っている彼らを強引に納得させました。
　その後は我慢を続けました。しかし納期が差し迫ってこれ以上は待てなくなり、最後は私が指示を出して何とか間に合わせてしまいました。それでもやりかたや人数の割り当てなどは彼らがすでに考えていて、細かな指示は必要ありませんでした。自分たちで動き始めたのです。
　それ以降、定常作業は納期だけ伝えてその先は彼らに任せ、自分たちで最後までやり切ることを求め続けています。私が自分に課しているのはとにかく我慢すること。いま言えば総て台無しだと自分に言い聞かせています。