トライ＆エラーをくり返していく

「いいな」と思われたら押してください。

　「組革研」から家路についても終わった感じがまったくしませんでした。むしろこれから本番という緊張感、まず身近なことからと決意しました。
　その頃職場では、駅ちかくの蕎麦屋さん付近に駐輪する自転車の増加が問題になっていました。弊社の所有地のため、そのまま看過することはできません。上司からも駐輪できないよう区画を塞ぐ対策を指示されました。
　まず現場の状況がどうなっているか。さっそく調べてみると、区画を塞ぐとお客様の通行を妨げ、お店にも出入りしづらくなると感じました。私たちの「対象」にとって良いことなのかと疑問が湧いてきたのです。コーンを設置し、駐輪しないよう注意を促すほうがいいのではないか……。
　でもやってみなくてはわかりません。私は指示されたように区画を塞いだ状況をつくり、どのような変化が起こるのか上司にも直接見てもらうことにしました。すると、怖れていたとおりお客様の流れが悪くなることがわかったのです。改めて先に考えていた私の別案を提案し了承してもらえました。その後、次第に駐輪問題は改善されていきました。
　「対象」状況を調べて今回はうまくいきましたが、その後すぐ大きな失敗をしてしまいました。このショッピングセンターで働くスタッフへの優遇施策を部下から相談され、その案があまり深く考えられていないと感じた私は、即座に自分の代替案を指示してしまいました。彼女は言われたまま実行しました。もっと考えさせればそれ以上の案を彼女は考えられたはずなのに、その道を私が閉ざしてしまったのです。
　終りのないことに挑戦し始めたと、いま痛感しています。時として上司に怒られ部下に嫌われ、自分も誤った熱意に陥ってしまうかもしれない。総てうまくやろうとは考えず、日々トライ＆エラーをくり返していきます。