後戻りはしません

「いいな」と思われたら押してください。

　「組革研」で、一人ひとりが力を出さなければよい成果は得られないことを体感し、自分の間違いに気づきました。
　ちょうどその頃、職場であるプロジェクトに参加していた私は、自分が頑張れば頑張るほど、「佐野に任せておけばいい」という雰囲気が周囲に広がっていくのを感じ悩んでいたのです。その原因は、周りを気にせず一人で突っ走っていた自分にあったのだとわかりました。
　すぐに私が一人で抱えていた仕事を他の人たちに割り振りました。すると次第にプロジェクトの雰囲気が変わっていくことを感じ始め、その結果、予想以上の成果に結びつきました。
　私自身の業務でも変えました。営業職の一人としてずっと手放さなかった顧客を部下に任せることにしたのです。私の一番の顧客を失う。決断できたのは、自分から変わっていかなくては、の思いだけでした。
　任せた部下は、主体的で、指示待ちと感じたことはありません。ただ気がかりな点もありました。彼は一つのことを徹底して掘り下げていってしまうため、時として取り組む範囲が狭まりがちになってしまうことです。
　過去に彼が困ると手助けし、良かれと思って、私自身の営業スタイルを押し付けてきた場面を思い出します。「組革研」を終えた今、後悔しかありません。今度こそ私が抑えこんでしまっていた彼の力を引き出していく。
　しかし、新年から正式に引き継いだものの、いまだに顧客からのメールの９割ちかくは私宛という状況です。でも、後戻りする気はありません。変えていかなければという私の思いは、変わりません。
　そして、彼に総て移管し任せきった後は、今度は大きな顧客を失った自分の番です。未開拓エリアの顧客開拓にチャレンジしていきます。