目標は他の人の5割増し
――夢の実現に向けて一瞬も無駄にしない・後編（全２回）

「いいな」と思われたら押してください。

　一刻も早く先輩に追いつき、同じ土俵で議論できるようになる。それが「組革研」後の私の目標になりました。少しでも時間に余裕ができると、担当者が決まっていない業務を探し、自分がやってもいいですかと上司や先輩にお願いしました。
　今までの仕事が無くなったわけではないので量は増えます。さまざまなことを同じ時間内で、しかも調べ考えていかなければいけない。今まで以上に自分を追い込んで、無駄な時間を意識するようになりました。
　タイヤの評価でも、冬の評価は冬でしかできません。北海道に性能試験に行く先輩の同行者になれる可能性が少しでもあれば絶対に逃さない。ぼけーっとしていたら、次に行けるのは１年後になってしまうのです。
　普段から前倒しですすめるようになった私にチャンスが訪れました。これまで無かった新しいサイズのタイヤ設計です。同じサイズのタイヤが以前にあれば、そのデータを参考にして設計できます。でも何もない。寸法を一つひとつ決めるにも、ものすごく考えねばならず時間もかかりました。
　それでも途上で先輩が見て返された自分の案は付箋だらけです。ダメだダメ、これもダメだと返されました。苦しんだ末になんとか完成しましたが、おそらく先輩たちなら１週間ほどでできたかもしれない設計を、けっきょく３週間余りもかかってしまいました。
　モータースポーツ系のタイヤに携わりたい。生産を自働化したい。それ以外にも、配属先ごとに自分の夢ややりたいことがたくさんあります。毎日苦しんでいますが、仕事が今、とてもおもしろい。当面の目標は他の人の５割増、５年かかるところを２年３年でと思って挑戦しています。少しずつ、その目標に近づいていると感じています。