彼らなら必ずできる

「いいな」と思われたら押してください。

　「組革研」で行われるＳ－２０で、上期も下期も、私は一人で二人分を担当しました。なぜ自分だけがという不満を抱え、ゴールできなくても悔しさの欠片もなく、ハンディをくれてもいいくらいに思っていた上期でしたが、下期はまったく異なり、許された時間の間じゅう走り回ってもゴールできなかったことに心の底から悔しさが込み上げました。一人だったからという言い訳はいっさい浮かびません。
　その後、職場に思いを馳せながら自分自身と向き合いました。そして問題が起きると、すぐに状況や誰かのせいにしていた自分の体質を思い知らされたのです。悪いのは周り、自分じゃないと。
　指示してメンバーにやらせたのだから、失敗したら自分の指示が悪かったと、リーダーなら思わなければいけないはずです。ところが私は、部下が悪い、うまくやらなかった彼らの問題だと逃げていただけ、自分事に捉えていなかったのは私のほうでした。
　職場で私からの口出しや指示を止めました。
　もちろん最初、メンバーは戸惑いました。それでも私はだんまりを続け、指示を求めてきた人には、どうしようと考えているかを聞き返しました。しばらくして彼らはようやく動きはじめ、それにつれて少しずつですが、自分自身の考えも言うようになってきました。次第に彼らの顔つきが変わってきたように感じました。
　自分の意識も変わってきました。指示を止めて任せるということは、彼らなら必ずできると思わなければできません。うまくいかなくても、任せた俺の責任だと思うようになりました。ハラハラしながら、彼らが何を考え、どう動こうとしているかを観ています。