参加リポート/現場から

見せるよりも、やらせる

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豊川敏洋 38歳  マツダ車両実研部実車信頼性実研グループ  〔第519回/2019年6月会期参加〕  NO.1601

 自動車開発の総合耐久テストを担うグループに所属し、その中で車種開発の推進チームのリーダーを務めています。
 チームには2名の若手がいますが、彼らだけで業務をすすめていくのは難しいだろうと思っていました。そのため、私ともう1人のベテランが主になって業務を回し、彼らには作業状況を見せて、仕事を覚えてもらうようにしていました。
 私たちが頼んだ作業は正確に素早く実行してくれる若手2人ですが、それ以上のことを自らすすんでやろうとはしません。一方、私たちベテランは自分でやるほうが楽だし、仕事をしているという満足感もあります。
 そんな時に参加した組革研で、一番印象的だった「ロボット症」の話し。気づかされたのは、自分たちが育てていたのは部下ではなくて、彼らの「やらずに済ませる気」だったというとんでもない事実です。
 それからは、若手が担当する課題は彼らの能力よりも高めのものにし、目的と求めるアウトプットだけを伝え、仕事のやりかたは教えず、あとは任せると宣言しました。
 初めのうちは、関連部門への電話やメールも躊躇し、簡単な交渉ごとですら、私たちを頼ろうとします。それがあなたの仕事だと突きかえすと、しぶしぶと動きはじめます。納期から逆算して仕事をすすめることはできず、放っておけばいつまでもそのまま。私たちも我慢を強いられます。
 一か月がたち、徐々に自分から業務をすすめるようになりました。「自分の仕事で車が少しずつ良くなっていることを実感できてきました」と、仕事の達成感も感じはじめているようです。しかしまだ、本当に一歩踏み出しただけ。彼らのために、「やらせる」ことを貫いていきます。

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脱・「三逆リーダー」
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