「これ止めちゃおう！」

「いいな」と思われたら押してください。

　 私の身近な職場メンバーは、自分の仕事さえこなせればよいという意識が強く、新たな仕事を頼もうとすると拒絶反応を示す状況でした。 「なぜそうやっているの？」と聞いてみると、昔から絶対このやりかただと決まっているという応えでした。
　 みんな疑問を感じないのか？　愚痴はたくさん言うのに前向きな発言はない。 内心では不満を通り越して憤りさえ感じていました。
　 普段は明るく、けっして雰囲気の悪い職場ではありません。 ただ、この問題について私はまだ本気で向き合えていませんでした。 しかし昨年末に抱えていた大きな業務がひと段落すると、この環境を何とかしなくてはと強く感じたのです。 本気で変えると決意しました。
　 以前から不要と感じる業務はありましたが、詳しい状況はわかりません。 要不要を勝手に決めつけないと考え、まず、メンバーの業務を実際に自分でやってみることから始めました。 細かな伝票作成、メール仕分けなど。 詳しく知らない私はやりかたをその都度メンバーに教わりながらです。
　 やりながら感じた疑問をメンバーに投げかけました。 なぜこの仕事はなくならないのか、何に困っているのか、どうすれば変えられるのか。
　 途中でいくつか改善案を思いつきました。 しかしこの仕事の主役は彼女たちです。 確認や質問をするだけにとどめ、本人に考えてもらいました。
　 ある日、 「これ止めちゃおう！」という声が上がりました。 その後も、敢えて止めることや大胆な変更案が次つぎに飛び出しました。 すると自分たちで、具体的にどう変えていくかを考え始めていったのです。 それらを改善案としてまとめ、提出し終えたメンバーたちの顔は達成感に満ち溢れていました。
　 どう取り組むかの発言が増え、今では自分の範疇を超えた仕事にも抵抗感がありません。 前向きな職場に少し近づいたのではないかと思っています。