他の状況を意識する相乗効果が生まれている

「いいな」と思われたら押してください。

　 「対象」という概念が職場で受け入れられ、それが共通語になっていくに従って、設備の改造や課題解決のテンポが速まってきたと実感するようになったのが約１年まえでした。
　 ところがある日、試運転時に初めて不具合が発覚するという問題が起こりました。 他の設備で発生した不具合が展開されないまま新たな設備の改造がすすめられていたのです。 幸い、現場がすぐに対処して大事にはなりませんでしたが、すでに起こったトラブルが再発するのは大問題です。
　 標準化・定型化により各部署の動きが速まり良くなったと思っていましたが、いつの間にか新たな改善を取り入れない、なあなあの状態に陥ってしまったのではないか、と感じました。
　 別件で設備の不具合リストを見直す業務に携わることになった私は、他でも同じような問題が起こっていないかヒアリングしてみました。 すると心配したとおり、いくつかの設備で 「問題は解決しているが、対策を横展開できていない」という返事だったのです。
　 もう一度、「対象」に目を向けさせ、根本問題を一つひとつ解決してから他に展開していくように変えなければと思いました。
　 規模の大きな設備改造に関係するものだけでなく、どんな些細なことでも、各自が勝手にフィルターをかけずに全ての不具合を報告するように変えました。 同時に、メンバー全員が不具合の状況を知ることができるリストをつくり、そこに問題状況や対処方法だけでなく、誰が担当しているかも見える化しました。
　 今、不具合の全貌を記したリストは毎日更新されています。 その動向を見てみると、メンバーが他のメンバーの不具合解決状況を意識するという相乗効果も生まれたのか、途切れることなく改善がすすめられています。