参加リポート/現場から

「対象」だと気づいて、彼が腹を括った

投票する

「いいな」と思われたら押してください。

辻 省悟  三井E&Sマシナリー 大分工場 海外生産推進室 室長  〔第395回/2005年5月会期「リーダー参加」〕  NO.1509

  経験も実績もなく、しかも英語が苦手。 不安と重圧だらけの中、1人でベトナムの地に降り立ったA君でしたが、とりあえずやるしかない、出たとこ勝負だと、むしろ開き直りました。
  その後、彼は現場を観察することから始め、それに徹しました。 何もわからないのだから見るしかないと考えたようです。 直前に参加した組革研で、 「対象」をしっかりと見ることの重要性を知ったことが大きかったかもしれません。 彼にとっては、これほど何かを本気で見ようとしたのは初めての体験でした。
  現場で何が起きているのかを血眼になって見ようとした彼は、製品ができてこない原因がすぐわかりました。 ひと言で言えば、図面どおりに作っていなかったのです。 とうぜん不具合が生じてしまう。 現地の外注会社の製造管理がうまくいっていなかったことが原因でした。
  しかし、どのようにすれば正常な状態になるかが最大の難問、次に彼が直面したのはこの問題でした。
  最初、彼は日本流のやりかたで問題解決に取り組みました。 少ない知識や日本で教わってきた経験から、こうするのが当たりまえだと言って現地の人たちに指示し、教えようと試みたのです。 しかしうまくいかない。 小さな手応えさえ感じられない。
  現地には現地の風土があるし、流儀がある。 国民性の違いもある。 そう実感した時に初めて、自分が一方的に対応を押し付けようとしただけだったと気づいたのです。 現場の人たちが自分にとっての 「対象」だと気づいて誤りを知り、彼は腹を括りました。(続く)

  昨年11月29日にダイヤモンドオンラインに掲載された三井E&Sマシナリー・辻省悟氏の取組みを加筆修正し、本日から4日にわたってご紹介します。今日はその3日目です。

只今、サイトの更新を一時停止しております。
改めて更新を再開する予定ですので、少々お待ち下さいませ。
どうぞ宜しくお願い致します。

脱・「三逆リーダー」
新着 記事・お知らせ
  • 2022.11.15        

    日本人の「人間力」を薄っぺらにしてきた幾年
          ――...

  • 2022.06.28        

    「心の報酬」ぞ、如何に
     ――「新資本主義」に問う(2)...

  • 2022.06.02        

    「道具力」の再構築に終わってしまわないか
     ――「新資本主義」に問う(1)...

  • 2022.05.31        

    組織革新研究会の7月会期での感染症対策...

  • 2021.12.02        

    『あなたの会社はなぜ「メンタル不調」者を量産してるの』発刊記念講演会が開催されま...

  • 組革研アーカイブ
パンフレット・発行物のご案内
  • 対談 あなたの会社はなぜ『メンタル不調』者を量産してるの

    著者:藤田英夫・𠮷野 聡 発行:シンポジオン 発売:三省堂書店/創英社


  • 脱「三逆リーダー」

    藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社


  • 「個全システム」によるミーティング革新

    藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社


  • 不感症体質に挑む「人間力」全員経営

    藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 経営の創造

    藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 第3の組織論

    小林 茂 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 人間力をフリーズさせているものの正体

    藤田 英夫 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 人間力―そこにどう火を点けるか

    藤田 英夫 (著) NTT出版


  • 人を人として―指示待ち人間を目覚めさせるもの

    藤田 英夫 (著) PHP研究所


  • 「状況」が人を動かす―管理からリードへ

    藤田 英夫 (著) 毎日新聞社


ページの先頭へ

組織革新研究会について

組織革新研究会の5日間