私の指示は今の彼らには邪魔になるだけ

「いいな」と思われたら押してください。

　 昨年６月下旬に現支店に異動した直後、西日本豪雨によって弊社の主力商品である九州向けの貨物列車が運行できなくなりました。 岡山管内となる福山・水島・岡山の貨物駅が全国各地から到着するコンテナをトラックや船舶で代行輸送するための積み替え拠点となり、通常では考えられないほどの量のトラックやコンテナをさばく必要に迫られました。
　 運行計画や顧客対応などの業務量は増大し、加えて直近２年間の新規採用がなかったという背景もあって、要員不足がこの状況に追い打ちをかけました。メンバーは業務に忙殺されました。
　 さらに通常業務だけでなく、これまでやってきた範囲から大きく離れた業務がとつぜん増えたのです。 「そこまでやらなきゃいけないのか」 「本社や支社がやればよいのではないか」という声が上がるようになってきました。
　 日勤だけでなく泊り業務も兼務する支店のメンバーから、身体的にせよ精神的にせよ一人でも脱落者が出れば、そこから一気に総崩れになりかねません。 どこまで持ちこたえられるのか。 私も決断を迫られました。
　 できることはやる、物理的に不可能なことは断る。 責任は自分が取るからしっかり状況に向き合って各自で考え、結論を出してくれ。そう宣言しました。 細かな業務は異動したばかりの私にはわからない。 私の指示は今の彼らには邪魔になるだけ。 むしろ前向きなメンバーの考えや発案をどんどん上部組織に上げさせ、この支店だけで判断できない問題の決定を早めることが私の役割だと思いました。
　 約３か月間この厳しい状況が続きましたが、とうとう一人の落伍者もなく乗り越えられました。 いくつか細かい問題はありましたが、自らの考えと判断でやりきったという思いを、メンバー一人ひとりが感じられたと思います。