書かれているのは彼らの夢やありたい姿

「いいな」と思われたら押してください。

　 たびたび起こる設計図面上のミスを外に出してはいけないと、全て私がチェックして未然に防いでいました。 校正だけに止まらず自分の手で修正することもありました。 自らの設計に費やす時間が奪われると思いながら。 そして実際にその無駄な時間は、納期遅れにも繋がってしまうという悪循環を生んでいたのです。
　 ところが納期を守り部下への助け舟にもなるとやっていたことが、全く逆だったのです。 教えられたのが１年まえの組革研でした。 部下への余計な手出しを止め、彼ら自身が解決するまで待つと決めました。
　 しかし、すぐには変わりませんでした。 「どうしましょう」のまま彼らは固まる、私も動き出さない彼らを待てずに口を出す。 自分の腹の据わらなさ加減を思い知らされました。
　 あれからほぼ１年、致命的なミスはなくなりましたが、自慢できるほど改善されていないと感じています。 最後の最後になると待ちきれず、私のほうから 「あれはどうなった？」 「間に合うのか」と声を掛けてしまいます。
　 放っておこう、でも失敗すれば責任は自分。 この葛藤は私自身があまり変わっていない証拠。 つまり、自分の保身から脱け出せていない。
　 それでも何とかしたいという思いから、１０年または５年後の姿を考え書いてもらう取組みを始めました。 １０年後なんて想像できないという声はありましたが、何とか考えて書いてくれと部下たちに伝えています。
　 １０年後はどんな姿になっているか、どのような役割を担っているか、書かれたものをもとに話し合っています。 始めたばかりですが、そこに書かれているのは彼らの夢やありたい姿です。 その実現のためには、 「三逆リーダー」から私が脱け出て、彼らに強く迫る存在にならなければと思っています。