悩んでいる今の経験の全てが役に立つ

「いいな」と思われたら押してください。

　 本社に異動して間もない頃、組革研に参加しました。 部下に指示してはいけないと強く感じることはあったものの、仕事のやりかたや立場が変わったこともあり、すぐに職場で生かしていくことはできませんでした。
　 しばらくして新入社員が配属されてきました。 私のグループは、全国の支店から寄せられる貸付のトラブルなどの相談対応や収支管理の業務を行っていますが、とうぜん彼女にとっては初めての内容ばかりです。 しかも数か月という期間限定の配属。しかし、ここにいる間は部署の一人としてやってもらわなくてはいけません。
　 マニュアルや基本的な入力作業や順序には全て意味がある。 ひと通り内容を伝えた後は、助言せずに彼女に任せました。 ２回目以降はマニュアルとにらめっこしながら悪戦苦闘していました。 しかしほとほと行き詰って聞いてくるまで放っておきました。
　 しかし、任せた仕事の中には請求に関わるものもあり、期限がある上に絶対に間違えられません。 わからないままでは済まされず、ぎりぎりになれば内容を確認し、間違いを指摘しなければいけません。 それでもその都度どこを間違えたのか、なぜわからなかったのかを考えさせました。
　 入力した数字がどのようにシステムに反映されていくか、収支管理表に過去のデータを仮の数字としてシステムの仕組みを検証させているのですが、なかなか理解は深まりません。 マニュアルがわかりづらいのか、そもそも覚えが悪いのか、最後は手助けしてしまうからか。
　 しかしいずれは仕組みを捉えたうえで、本人が収入や費用を設定していかなければいけない日が訪れます。 苦しんでいる姿を横目で見ながら、悩んでいる今の経験の全てが彼女の役に立つと信じてすすめています。