参加リポート/現場から

設備の実働時間が10%向上

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春沢知宏  富士フイルムオプトマテリアルズ 吉田工場 製膜部 課長  〔第508回/2017年11月会期参加〕  NO.1453

  設備のバックアップ機がないラインは機械を停めないことが最優先、もちろんトラブルが起きると調査から始めてはいましたが、得られた結論が不充分であっても経験や仮説で補い、対策を立てていました。 事実に基づかない対策は外れ、トラブルはくり返されました。 そんな時に参加したのが組革研でした。
  職場に戻ってから始めたのは、とことん 「対象」にこだわることでした。 トラブルの調査結果を聞く時、記憶で話そうとしたり曖昧に感じたりするものに対して、「それは事実なのか?」と聞き返すことから始めました。
  以前は、曖昧と思っても改めて調べさせず、その先の考えることを彼らの役割にしないで、自分の領分としてしまっていたのです。 リーダーとして最もやってはいけないことでした。 彼ら自身が調べ、自分たちで原因を突き止めさせる、そこに繋がらない調査結果はけっして許さないと決めました。
  これまで何度も聞き返されることがなかった係長は苦しそうでした。 それでも、彼らが 「このデータからこう考えます!」と言い切れるようになるまで求め続けました。 現場のメンバーにも同様にデータに基づくことの必要性を訴え、強く求めました。
  しばらくすると彼ら自身で考えた対策が増えてきました。 しかも少しずつ、記憶に頼ったものや憶測によるものが少なくなってきました。 この取組みを続けてからまもなく1年になります。 以前と比べて故障回数は減り、設備の実働時間は10%向上しています。
  安定するようになったものの、まだまだ課題はあります。 製造すべき製品の種類はどんどん増えています。 私がやってしまっていたことを彼らにもっと任せ、このラインの実力を上げていかなければいけないと思っています。

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