意を決して資料の全てを見直した

「いいな」と思われたら押してください。

　 技術開発分野で３０年のベテランとペアを組んで仕事をしています。 具体的にはその方が考えた理論を、私がコンピューター上でシミュレーションして検証するという業務です。
　 ところが、まったく検証できませんでした。 内容が専門的なため周りに相談できません。 何度も自分の作業プロセスを見直し修正しましたが、まともな結果が得られませんでした。
　 そのうち業務内容に慣れてくると、ベテランの方が話している理論が少しずつわかるようになってきました。 その時にふと、自分が偏って調べていたことに気づきました。
　 ベテランの方の理論には間違いはないはずと思っていましたが、問題を全て明らかにするためには、その理論も 「対象」として検証しなくてはならないと気づいたのです。 それでも周囲からは理論に間違いがあるはずないと言われ、検証に踏み出せるようになるまで苦労しました。
　 意を決して本人に相談し、資料の全てを見直しました。 引用部分は全ての参考資料に目を通し、パートナーと何度も話し合いを持ち、自分の解釈とともに理論そのものに間違いがないか一つずつ確かめていきました。
　 その結果、確かだと思っていたある事がらが先入観で決めつけていたことがわかり、さらに理論の矛盾にも気がついたのです。 その他にも複数の資料から定義した内容に整合性がとれていなかったことも発見できました。
　 そこにたどり着くまでとても時間を要してしまいましたが、この再調査のおかげで、私自身がこの理論の理解をとても深めることができました。 またこの一件以来、どこかに間違いがあるはずだという気持ちで資料に目を通すようになり、曖昧な部分はないかを徹底的に確認するようになりました。