まだ全てには考えが及んでいなかった

「いいな」と思われたら押してください。

　 造船の塗装チームに所属している私は、行程表を作成し、船の引渡しまでのスケジュール調整することが主な役割です。
　 「対応のほとんどは対象状況によって決まる」と組革研で学んで以来、現場を支えるスタッフの業務こそ現場の状況をよく見て掴まなければいけないと思ってすすめてきました。
　 しかし先日、知らなければいけないこと全てにはまだ考えが及んでいなかったと痛感させられる場面がありました。
　 船の塗装はまとまった、かなり大きな範囲で行います。 その間は火気を使用する工事はもちろん、周辺機械の作動はできません。
　 今回の工事でもある区画の塗装工事を行うため、そのエリア周辺で工事に関わっている工程担当者に集まってもらい、塗装作業のタイミングをいつにするか調整しました。 火気工事の日程や周辺機器の作動スケジュールなどの調整が終わって塗装が仕上がる目途がつき、残りの工程もずいぶん楽になると期待しました。
　 ところがその作業に入る前週、まったく異なる区画で同じ機器を作動させなくてはいけないことがわかったのです。 場所はかなり離れていて、その後のやりくりは困難でした。 計画時、その場にいた担当者全員が自分の計画範囲だけに意識が狭まってしまって、それ以外の工程との兼ね合いを見落としてしまっていたのです。
　 幸い、別の区画の作業日程との調整ができ、結果的には事なきを得られました。 一つの手抜きが、大きな損失をつながりかねないことを学びました。 この一件以来、表に工程を書き入れた時には、その周辺エリアだけでなく他の区画の工程も確かめて、どこにも影響がないかを調べるようにしています。