昔からそのままのルールを調べ直そうと決意した

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　 「対象はどうなっているか」。 昨年、社内の人材育成プログラム 「技術アカデミー」 のカリキュラム中に参加した組革研で最も心に残り、私が影響を受けた言葉です。 当時の私にとって、まず 「対象」 を素直に見て、現象を捉えるという体験はカルチャーショックとも言うべきものでした。
　 現在は支社に戻り、設備部門の安全への取組みを推進する役割を担っています。 初めに任せられた業務は、新たな安全ルールの整備でした。
　 全社規模で定められたルールを、この支社の状況に合うよう見直すという課題です。 その後は、設備やルールだけでなく、職場や従業員という 「対象」 に向き合う日々をくり返しました。 ひと月かかりましたが、見直されたルールは、いま概ね順調に運用されています。
　 この他にも多くのルールが存在し、中には 「対象」 に合わないものがいくつかあることもわかりました。 しかし疑問に感じても、成り立ちや背景を誰も明らかにできません。 また、安全確保が最優先され、すぐ対策が打たれてきたため、事故事例一つとっても驚くほど多くのルールがあります。
　 昔からそのままにされているルールをもう一度調べ直そうと私は改めて決意し、取り組みはじめました。
　 まず、支社や本社で資料を漁り、ルールの成り立ちについて調べました。 そして過去に事故が起きた支社へ行って現場を自分の目で調べ、当時の状況を関係者に聞き、資料や映像も見せていただきました。 それらをまとめている過程で、８月に新入社員の前でレクチャーする機会もいただきました。
　 しかし今でも、先に要因を決め付け、対策から頭が離れないことがたびたびあります。 まだ見たいように見てしまっていると気づくたび、 「対象はどうなっているか」 の基本に立ち戻ろうと、自分に言い聞かせています。