「自分ばなれ」の紙を見て自分を戒めている

「いいな」と思われたら押してください。

　新しい部署に替わった頃、組革研参加を薦められました。当時は新しい部署での業務内容もわからず、ただ自分の思う方向に部下を動かすことが上司の役割だと思って彼らに接していました。しかし思うとおりにならないと悩み、良い結果が出せた時は自分の手柄のように感じていました。
　参加するまえに組革研とは何かも調べず、資料もあまり読まないまま当日を迎え、上期「Ｓ－２０」が始まりました。結局売上げを一つも得られず、ひたすら歩きまわるだけ。終わってから、「何の説明もなくてできるわけがない」と憤りさえ覚えました。
　しかし翌日、「野鴨の話」をお聞きした瞬間、まさに今の自分のことだと胸に刺さり、身の置きどころがない思いに駆られたのです。
　それ以降、そんな自分を少しでも変えようと、課題に集中して下期に臨みましたが、ここでも結果を残せませんでした。頑張っても、結局、何も変えられなかったという思いと悔しさばかりが残りました。消沈しながらも、「本当に変わらなければ」という思いを抱いて組革研を後にしました。
　職場に戻るとすぐ、部下のみんなに「自分は変わります！」と宣言し、「みんなにああしろ、こうしろと言わない」とも伝えました。同時に、机の上に「自分ばなれ」「手抜きからの脱出」と書いた紙を置きました。
　宣言後、課題を与えた後は部下たちの動きを見るように努め、しばらくはうまくいっていましたが、ある日、私が思う方向に話を持っていこうとしていることに気づきました。それ以後も気づくとすぐに「自分ばなれ」の紙を見て、「これでは以前と変わっていない」と自分を戒めています。
　宣言してからまだそれほど日は経っていませんが、最近、部下が状況報告とともに自分の意見を言う場面が増えてきた気がしています。