５件で満足していたデータを１００件以上取るようにした

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　タイヤの原材料であるゴムに薬品をどう練り込んでいけばいいかを研究しているため、職場でも「対象」がどうなっているか客観的な視点で捉えてきたつもりでした。また、参加した組革研で「『対象』を捉える」という課題を与えられても、「自分はできている」と思っていました。
　しかしこれまでの自分は、知らず知らずのうちに自分の視点でしか「対象」を見ていなかったことに気づきました。
　職場の経験や知識がついてきたことや納期に追われる仕事をくり返しているうちに、「こういう結果が出ればいい」と、自分にとって都合の良いことばかりを求めるようになっていたのです。これでは「対応」に走っているのと同じであり、「対象」に迫っているとはとても言えません。
　「Ｓ－２０」でも、上期、下期ともにゴールすることができましたが、それは、「こま図」の仕組みについて自分が立てたいくつかの仮説がたまたま当たっていたからです。「対象」について調べきるということについては疎かになっていたことを、終わってから痛感しました。
　組革研後は、今まで以上に純粋にデータを取りまくることに決めました。例えばゴム物性についての評価でもデータの取りかたはいくつもありますが、今までは、一つでも自分にとって都合の良い結果が出ればそれで満足していたのです。これまで５件ぐらいしか取らなかったデータを、さまざまな視点で１００件以上取るようになりました。
　取り組んでみると、今まで以上により良い結果につながるという実感が得られ、自分が立てた仮説と検証結果が一致することもぐんと増えています。自分にとっても、「対象」を捉えようと挑んでいくことが、やはり、一番のやりがいにつながっていると思っています。