部下とともに「現物」にこだわり続けたい

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　組革研で「現地・現物」の大切さを身に沁みて感じた私は、それ以降、仕事の取り組みかたを少しずつ変えようと意識しています。
　その一つが不適合事象への対応です。私の部署では、それによる損失額を目標値以内に抑えるため、原因を分析したうえで再発防止策を検討していますが、今までは、不適合とされた内容の一覧と損失額を部下が作成し、私がそれを書類上で確認していただけでした。
　しかし組革研後は、「製品の塗装が剥がれ、補修にどれくらいかかった」と報告されると、「どこがどう剥がれたのか、製品はいくつあったのか」など、その資料を作った部下にさらに踏み込んで質問するようにしたのです。
　答えられない彼らを見て、「こういう状態ではアカン！」と痛感しました。それからは不適合事象が起こると、部下と一緒にその関連部署の課長に詳しく話を聞くようにしています。また、毎月その事象の写真や図を部内の掲示板に貼り出すことを始めました。
　ある時、バクテリアの繁殖力を利用して洗浄する機械に不適合事象が発生しました。調べた結果、その原因がバクテリアの急増によるものだったと理解できたときは、「こんなことが起きるのか！」と驚きました。私が「現物」を意識しはじめてから、彼らもずいぶん変わってきたようです。最近、一緒に飲んでいると、「先日のバクテリアの件、面白かったですね！」と彼らから話しはじめるのです。それまでは損失計算をして、整理する仕事が彼らのメインとなっていました。面白かったはずがありません。ひどいことをやらせていたと反省しています。
　今のところ、損失額は目標値以下に維持できています。これからも彼らとともに「現物」にこだわり続けていきたいと思っています。