「現状のまま満足していないか？」と自分に問いかけている

「いいな」と思われたら押してください。

　ソフトウェア製品の品質保証業務を担当する私は、１０年以上まえに作られたマニュアルを変更することなく、決められた案件を毎日手順どおりにやることが大事だと考えて、日々すすめていました。
　ある製品の品質が改善されることに伴い、そのソフトウェアを開発した当社にもその製品の現状説明が求められました。しかし、私はその概要を週報などで表面的に知るだけで済ませ、担当者に詳しく現状を聞いてはいませんでした。品質監査という立場にいる私は、良好な状態を保つため、もっと踏み込んでいなければいけなかったのです。現状のままで過ごせている状態に甘え、品質を改善しようという意識が薄れていたことに気づきました。
　この時、組革研でうかがった「ロボット症」の話を突然思い出し、今の自分はロボットそのものだと思い、ショックを受けました。
　何とかしなければいけない。もう一度担当者と一緒に問題点を洗い出すことから始めました。これ以上はもう出ないと思えるほど問題を出し切り、その後に原因を探り、品質改善の対策を立ててお客様へ報告しました。私自身も以前の反省から、このプロジェクトの責任者と何度も打合せ、緊急度やリスクに応じたこれからの品質監査の実施案を取りまとめました。
　品質監査の実施案がスタートしてから半年が経過しようとしています。それ以降、工程間の可視性は高まり、品質に関するメンバーの意識も驚くほど向上したように感じています。その結果、問題もその修正も早い段階でできるようになってきました。また、他のプロジェクトに対しても品質保証計画を予定どおり行えるようになってきました。
　私自身も「現状のまま満足していないか？」と、あれ以来、いつも自分に問いかけながらすすめるようにしています。