参加リポート/現場から

「対象」を掴むことが問題解決の出発点だと教えられた

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野上典良 三井造船 運搬機工場 製造部 リーダー 〔第489回/2015年9月会期参加〕  NO.748

 私は加工された鋼板や切り出した部材の仕分けを担当していますが、工程遅れや切り出した部材が他と紛れてわからなくなる問題があり、しかも部下がそれを他部署や他人のせいにする風潮があることに悩んでいました。
 しかし参加した組革研で、私が部下を思いやるつもりでこれまで出していた指示や世話焼きが、彼らから問題を取り上げ、かえって彼ら自身の仕事にさせていなかったことに気づかされました。
 職場に戻るとさっそく、作業での問題点や気づいたことを各自が持ち寄り、この部署で起こっている問題にどう対応するかを話し合う場を、週一回開くことにしました。さらに彼らに口を出してはだめだと思い、私は会議に出ませんでした。しかし会議はほとんど進展せずに終わってしまいました。
 2回目には参加しない者も現れました。理由を聞くと、リーダーがいないと意味がないとの答えです。しかたなく3度目は私も参加し、この問題を他人のせいで終わらせずに自分たちで何ができるかを考えてほしいと強い口調で訴えました。しかし彼らから返ってきたのはできないという言葉やその言いわけばかりだったのです。
 その時、組革研の体験を思い出しました。そして「対象」を捉えないまま対策ばかり求めていたことに気づいたのです。そして4度目は「部材が紛れる」問題に絞り、起きている状況をありのまま出すように変えました。最初は意見や感想もありましたが、少しずつ一人ひとりが知る状況が生々しく出はじめ、ついに問題が顕わになってきました。その後に対策を考える場でも、自分たちで解決するぞという意欲を感じる意見が出されるようになってきたのです。そこには他部署のせいにしていた姿はまったくありません。
 「対象」を掴むことが問題解決の出発点であると改めて教えられました。

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