部下が成果を売り込むように変わってきた

「いいな」と思われたら押してください。

　高機能なコンピュータがなかった頃は、自分の工学知識だけを頼りに衝突性能を測る計算ツールを自身で開発していました。深夜までかかるほど大変でしたが、やりがいを感じると同時に、自分が開発した技術を他に伝えていかなければと思っていたのです。
　現在、大抵の仕事はヴァーチャルな世界で可能になりました。しかし実験後、部下はデータをどう処理したらいいかまで聞いてきます。それを私は細かく指示、指導していました。自分が教えないといけない、それが部下のためだと思っていたからです。
　その後、組革研にメンバー参加し、さらに「リーダー参加」も体験しました。リーダー参加ではメンバーにすすめかたを押し付ける自分の体質が顕わになり、これを厳しく指摘されたのです。メンバー参加時に気づいた「わかっているつもり」から未だ脱けられていないことに衝撃を受けました。
　職場に戻り、部下の能力を私が判断して仕事を配分していたことを即座に止めました。取り組むべき仕事を彼らに書かせ、それを一覧して、開発課題を達成するために漏れがないかを互いに議論させました。これによって彼ら自身で業務内容を明らかにし、自分たちだけで分担するようになったのです。これは現在、業務の効率化にもつながっています。現在、毎週の仕事進捗ミーティングでは、部下たちだけですすめています。
　最近、彼らの顔つきが変わったことに驚いています。私にうかがいを立てるような態度から、自ら成果を売り込むように変わってきたのです。これは自分たちでやり切った感がないと出てこない姿勢だと思っています。
　まだまだ変わりはじめたばかりです。自分自身の体質と闘い、部下がその力をもっと発揮できるよう努力していきます。