一人ひとりが問題に向き合い、考えていかなければ

「いいな」と思われたら押してください。

　各地で駅社員や車掌などを約１０年、その後、横浜支社で駅社員への指導担当を約３年務めてきた私は、現在、社内の人材育成プログラム「技術アカデミー」の安全部門に在籍しています。これまで運転に関わる業務が中心で、保線や電力という技術的な職務に携わっていなかったため、さらに幅広い知識と技術を得ようと思い、このアカデミーの中で取り組んでいます。
　ほぼ半年安全について学んだ頃に参加した組革研で、「自分自身で調べ、考えることが大切」だということを実体験しました。
　職場では、過去の苦い経験から、手順の一つひとつが細かく決まっており、先輩から教えられるとおり忠実に守らねばなりません。ルールやマニュアルを守ることは安全を維持する上で最も大事なことですが、「言われたとおりこれまでのルールさえ守っていればいい」と、自分で考えなくさせてしまうのではないかと感じていました。
　気づかぬうちに私自身もがんじがらめになっていたのでしょう。疑問を感じる場面があっても、それを変えることを恐れていたのです。しかし組革研で、状況を調べ、自分で考えて気づいて変えていくことが大事だとわかり、それまで囚われていた思いから解き放たれた気がしました。
　最近、以前は想定していなかった原因により、トラブルが発生することがあります。しかし原因はどうであれ、ひとたびトラブルが発生すれば、お客さまが危険にさらされる可能性があります。
　安全に携わる私たちは、旧来のルールを守るべきものと変えるべきものに切り分け、自分たちで考え、想定外をなくしていかねばなりません。アカデミー終了後に現場に戻ったら、お客さまの安全を守るため、一人ひとりが問題に向き合い、考えていこうとする意識を広めなければと思っています。