調べ抜くことの大事さを教えられた

「いいな」と思われたら押してください。

　参加した組革研では、「対象」を明らかにするため、わからないことを徹底的に書き出し、何千という書き出されたものの中から調査項目を絞り、いくつもの仮説を打ち立て、現場で調査しました。その中から一つでも発見できると、言いようのない喜びを感じたのです。
　職場では何年もの間、ある製品の不具合の原因がわからず、悩んでいました。それも夏場に限ってです。これまでその場凌ぎで済ませてきたその問題を、組革研のこの方法で調べ直そうと心に決め、職場に戻りました。
　その不具合は夏場になると起こるため、まず、温度によるものという仮説を立てたのですが、それは検証できませんでした。
　次の仮説は工程です。この製品の製造工程では多くの液体や粉体等が撹拌されます。撹拌の規定時間に着目して調べ直すことにし、規定時間のものと規定より撹拌時間を短くしたサンプルも採取してみたのです。すぐには変化が顕れませんでしたが、不具合に至るまでの日数が明らかに異なることがわかりました。「これだ！」と思った私は、現在決まっている撹拌の規定時間が妥当ではないという結論に達し、時間変更を上司に提案しました。
　しかし、「本当にそれだけで不具合がなくなるのか？」と質問された私は何も答えられませんでした。調べる項目がまだ残っていたにもかかわらず、一つの結果に喜び、それが原因だと決めつけていただけだったのです。
　翌日から原材料一つひとつに立ち戻って調べ直しています。調べていくと、同じロットでは検査値結果に差は出ないはずだと思い込んでいたものが、実際は差が出ることを知り、調べ抜くことの大事さを教えられました。
　不具合の真因をつかむまでには時間がかかるかもしれません。しかし思い込みを捨て、手抜きをしないで、結果を出し切りたいと思っています。