「決めたことを教えてくれ」と突き返した

「いいな」と思われたら押してください。

　昨年、新商品開発が緊急課題となり、期限付きながら他部門からも参加するタスクチームが立ち上がり、リーダーを任されました。
　一挙に３倍となったメンバーをうまく回したい、そう考えた私は、独断で各々の能力を推し量り、それに合わせた課題を振り分けて細かく指示していました。しかしチームの動きは鈍いまま、自分がいないと会議も始まりません。停滞したまま他部門からの参加期限は終了し、人員は縮小されました。先が見えない状況に悩んでいた頃、組革研に参加しました。
　組革研の様子は耳にしていたものの聞くとやるとでは大違いでした。上期チーム業績はどん底の最下位、「Ｓ－２０」の仕組みは一つも明らかにできていないにもかかわらず、何も教えられず、全てを自分の仕事として立ち向かわされます。自分が立てた目標から逃げることは絶対許されませんでした。しかし日を経るうちに、職場でタスクメンバーに対するリーダーとしての自分のありようが間違っていたことがわかってきました。
　職場に戻ってまず、彼らのみで直近の動きを決める会議を設け、そこに自分は出席しないと告げました。当初は、結果報告と言いながら判断を委ねてきましたが、「決めたことを教えてくれ」と言って突き返しました。
　しばらくすると変化が顕われました。今までは私が決める予定を待つしかなかったメンバーが、業務計画や互いの業務に対する評価案を自ら考えてきたのです。その後、役割分担も彼らで決めてから相談するようになり、関連部門との調整も当りまえのように彼ら自身の仕事になってきました。
　まだ全てがうまくいっているわけではありません。自分の仕事にして取り組む彼らの邪魔をしないように、より一層、リーダーとしての自分を見つめ続けることが課題だと思っています。