何度も自分に問いかけながらすすめる

「いいな」と思われたら押してください。

　高周波電気部品の研究開発という新しい技術を生み出す仕事を担当しています。仮説を立て、実験によりその検証をくり返すことを日常業務にしているため、「対象を捉える」やりかたは熟知しているつもりでした。
　しかし、組革研で「『Ｓ－２０』はどうできているか」に取り組んでも、ついつい対策にばかり頭が向いてしまいます。また、現地に何度も行き来して調べ、検証できたと確信していた仮説が間違っていたことが、後になってからわかったのです。調査不十分の材料のまま自分に都合よく結論づけてしまったことを思い知りました。
　同時に、職場の自分を思い起しました。実験データの解析でも素直に「対象」に目を向けていたか、手抜きせずにやりきっていたかと改めて問いなおしてみると、自信を持って断言できない点があったのです。そこで、「『自分離れ』を意識し、『対象』を捉えることを今後の開発する際の原点とする」を今後の課題としました。
　組革研から帰った翌週、新たな開発課題が出されました。すぐいくつかの試案を設計し、それをシミュレータで確認しながら対応策を考えていくことが、これまでやってきたやりかたです。
　しかし今回は、あえて組革研での体験と同じようにすすめようと思い、「対象はどうなっているか」を課題として掲げ、わからないことを書き出して仮説を立てていきました。途中で何度も、自分に都合よく考えていないか、「自分離れ」できているかと問いかけながらすすめています。
　対応を考えてしまっている自分にしばらく経ってから気づくことは今もあり、一度結論とした考察が後から安易だとわかることもありますが、今後もこのやりかたをすすめていこうと思っています。