機械をゆっくり動かして、再現試験をした

「いいな」と思われたら押してください。

　私が担当する缶製品のパッケージング工程では、稼働率の目標を９１パーセントと年初に掲げましたが、達成できていませんでした。
　メンバーたちが必死でやっているのにどうして稼働率が上がらないのか、組革研に参加し、仕事に真正面から取り組む体験をして理由がわかりました。リーダーである自分自身に、稼働率を絶対に上げるという思いが足りなかったのです。思えば、稼働率向上がテーマとなる会議でも、これまで積極的な案を出せず、他の人に意見を求めてもいませんでした。目標に届いていない状況を許していた自分に気づかされました。
　組革研から戻った私は、トラブル時の停止設備や停止回数、停止時間などのデータを分析しはじめました。問題にぶつかると、これも組革研と同じく、「対象」をしっかり調べなおすことに力を注ぐようになりました。
　先日、完成した缶を入れるケースが破れ、ラインが止まるトラブルが発生してしまいました。メンバーたちが集まって、ああでもない、こうでもないと想像で対策を口にしています。しかし私は、「何が起きているのかちゃんと把握しないと、時間がかかるばかりだ」と言い、どうしたら再現試験ができるか考えさせました。
　彼らは少し話し合い、手動操作でゆっくり動かせば再現が可能なのではと考えました。試してみると、ライン上を流れるケースが通過する際に斜めに持ち上がり、下側のガイドに接触してケースが破れることが、みんなの目の前で再現されたのです。さらにテストをくり返すと、斜めに持ち上がるのはガイドの接触抵抗であることがわかりました。
　起こった状況を現場で明らかしようとした結果、稼働率低下に影響する要因に迫り、解決することができました。