間違っていた自分の見かたに気づいた

「いいな」と思われたら押してください。

　車両開発を担う私の部署では、やり直しやミスによって一部のチームからの提出が納期間際となり、さらに検証不足や関係部署との調整が甘く設計変更がたびたび起こるという問題がありました。お客様のご迷惑になるだけでなく、仕事に追われるメンバーは疲れ、活気もなくなっていきます。私が打った手も目に見える効果はなく、この状態が改善しないことに悩んでいる頃、組革研への「リーダー参加」を命じられました。
　初日にメンバーが到着したらすぐ仕事に取りかかれるよう計画したつもりが、まったく思い描いたとおりにいきません。その後も「世話焼きだ」「メンバーが動くまえに段取りしている」と、ブロックリーダーから何度も指摘されました。一方で、消極的にしか見えなかったメンバーが下期「Ｓ－２０」で足を引きずりながら必死に歩く姿を見て、間違っていた自分の見かたに気づき、職場の状態も自分自身が作り出していたのだと痛感しました。
　職場に戻ると、「これからは指示やお節介をしない」と部下に断言しました。直後はつい口を出してしまうことが多々ありましたが、そのつど「約束を破った、ごめん」と謝りました。その後は、自分との闘いでした。近ごろやっと一呼吸置いて話せるようになり、それに反比例するかのように部下からの相談や報告の数が増えたように感じています。
　また、これまで主任を通してメンバーの状況を聞いていたため、その様子が直接わかりにくいことも悩みでしたが、これを打破するため、メンバーが個々の仕事の状況やどうすれば職場の状況を変えられるかを発表し、全体で討議する場を設けました。評価基準をもとに横どうしで勝負している姿を目の当たりにして、彼らの力をこれまで引き出せなかったのは自分自身であったと改めて教えられ、つい口を出しそうになる自分を戒めています。