事あるごとに部下に問いかけた

「いいな」と思われたら押してください。

　２年まえ組革研に参加し、「考えない部下に対してどうすればよいか」という質問に「あなたがそうさせているのではないか？」と指摘され、大変ショックを受けました。それ以来、「仕事を部下本人のものにさせるにはどうしたらよいか」が私の最大の課題になりました。
　半年まえ現在の職場に異動しましたが、当初はけっしてモチベーションが高い職場とは思えませんでした。残業を依頼してもあまり協力しない、作業予定が立て込んでいても突然休んでしまうメンバーに対して、前任者はかなり強引なやりかたですすめていたようです。しかしその結果、彼ら自身が考えることから遠ざかっているようにも感じられました。
　実際、製品検査の見落としにより不適合製品が外部の倉庫へ出てしまうトラブルが赴任まえに起きていました。問題だらけにしか思えない状況を何とかしなければと思った私は、まず、彼らが実際にすすめているやりかたに対して「なぜそうしているのか？」、「ほかに確実に検査する方法はないか」と事あるごとに問いかけるようにしました。
　その傍ら、目のまえの検査能力を早急にアップしなければなりません。私は、検査の見逃しがどのような状況で起こるか明らかにしようと彼らに呼びかけ、予め用意した不具合製品のサンプルを良品の中に混ぜた実験を一緒に行いました。加えて、ふだん製品の検査業務しか携わっていない彼らと定例の勉強会を毎月開くことにして、職場で起きた問題がどのように発生したのか、今の作業を改善するために個々がどう取り組んでいくかについて、みんなが話し合える場をつくりました。
　少しずつ現場が変わってきたように感じますが、「自分の仕事にさせる」には終わりがありません。常に彼らを見ることが私の課題です。