「まず５秒間待つ」を課題とした

「いいな」と思われたら押してください。

　組革研に参加し、これまで私が良かれと思ってやっていた部下への指示や失敗させないための助言が全て否定され、ショックを受けました。確かにその５日間では自ら目標設定し、自分たちで課題に挑んでいく体験をしたのに職場ではまるで逆、トラブルが発生すると部下よりも先に手や口を出し、さらに他課との折衝は部下に任せずに必ず私が担当していたのです。
　職場に戻るとまず部下を全員集め、私の指示や口出しが余計なことだったと伝えました。そして今後はそれを止めると宣言し、自分自身で考えてすすめてほしいと話しました。
　一方、組革研で「おせっかい」「世話好き」という自分の体質に気づかされた私は、これを変えるために、余計なひと言を言い出してしまうまえに「まず５秒間待つ」を自分に課しました。これを実行してみると、言おうとした内容がわずかの間に反芻できたのです。部下の質問に「こうすれば良い」と思わず即答していたことが、少し間を取ることで「一番良いと思うやりかたを教えて」と逆に尋ねることができました。
　当初は部下もこれまでと全く異なる対応に面食らっていましたが、次第に「どうしましょうか」という質問がなくなり、「こう考えてみましたが」と自分の考えを先に伝えてくれるようになってきました。
　これまで自分で解決していた現場のトラブル対応も、部下に向かわせ、状況とともにその対応までを考えて報告させるようにしました。まだ曖昧な捉えかたのまま問題なしと結論づける報告もありますが、ありありとしない報告には、「もう一度」と再び現場へ向かわせています。
　少しずつ変わってきた職場を見て、これまで口出しをしてきたのは部下のためではなく、私の勝手な都合であったと改めて自覚できました。