自ら悩み、立ち向かうことが第一

「いいな」と思われたら押してください。

　私はビール類のビン製品を製造する工程全体を担当しています。
　昨年、ある課題をメンバーのＡさんに任せましたが、その進捗が思わしくありません。業を煮やした私は、対応策をつど指示して解決してきました。しかし言われたとおりに実行するだけ、工夫はいっさい見られません。その姿は「やらされ感」だらけです。困った私は、彼自身で自分の担当を決めさせようと、いくつかの中から選ばせてみました。しかしそれが今までとは異なる担当分野であったため、一人で達成するにはまだ経験不足だろうと感じた私は、これまで同様、対策案やすすめかたを伝えました。
　「どうしたらいいのか？」とモヤモヤ思い悩んでいた折、組革研に参加しました。そして「指示することが、本人を問題に直面させない」と聞いた時、自分と彼との今までのやり取りが重なったのです。
　３月から新たな取組みがはじまりました。組革研体験を経て、それまで私がすすめていた課題解決ミーティングを、メンバーに考えさせ、すすめさせたいと決心した私は、これがＡさんの担当分野にもかかわる取組みであったため、彼に課題の達成目標と納期だけを伝えただけで終わらせ、その後はいっさい手出しすることを止めました。
　すると最初の会議で、生き生きと話しはじめる彼の姿がありました。これからの動きをすでにシミュレーションしているかのように自信にあふれ、提案内容もとても質が高いものでした。いくつか説明がわかりにくい箇所があり、会議の準備不足を感じさせるところもありましたが、いずれ彼自身で解決していけるだろうと、そう思える出来栄えでした。
　問題に直面して本人が悩み、その課題に立ち向かうことが最も大事なのだと、この経験を通じて私自身が改めて教えられました。