「やる気」は問題に直面したときに出る

「いいな」と思われたら押してください。

　製造部では、会社の方針で高い生産性向上の目標が定められ、それに基づいて、数値計画を各現場におろしています。現場は作業改善をするものの、場当り的な対応が多く、なかなか計画を達成できません。理由を尋ねると、できない言い訳が先で、目標を達成しようという必死さが足りないと感じていました。
　そんな中、組革研に参加しました。無我夢中で取り組んだ５日の体験を通して、「やる気」が出るのは、どうしようもない問題に直面したときだということに気づかされました。
　職場に戻り、我々に今迫っていることや、自分たちが慣れてしまっている問題を顕在化することができないか、と考えました。そこでまず、現場の各班長に、競合の海外メーカーの製造費をグラフで示してみました。我が社の数分の一であることが一目瞭然で、このままでは自分たちの仕事がなくなってしまうと訴えました。そのうえで、組革研で行ったように自分たちの手で数値計画を作ることにしました。
　その後、製造ラインの作業を知らない他部署の人たちに協力してもらい、無駄だと思える動きなどを紙に書き出すことにしました。すると無駄な歩行、必要なさそうな検査など、１００件もの事柄が挙がりました。当りまえと思って行っていた作業に現場の人たちはムダがこんなにもあるのかと気づき、改善の余地を実感したようでした。
　そして、これらの案件を仕分けして、すぐに実行できて効果の高いものから着手しました。成果はさっそく表れはじめ、例年数％アップだった生産性が今年は１０％以上も上がったのです。しかし、彼らはこの結果にまだ満足しておらず、自職場の作業をさらに掘り下げて調べはじめています。