不安ながらも任せたら部下のやる気に火が点いた

「いいな」と思われたら押してください。

　社内の基幹システム開発と導入を行う部署に所属しています。
　数年前に異動してきたある部下は、打ち合わせの準備をさせても資料が揃っていなかったり、返事ばかりで動こうせず、やる気が感じられませんでした。そんな彼から質問されるたびに、課題の目的、ユーザーの状況、どうすすめていくかを事細かに説明していました。
　ところが、組革研に参加して、上から目線で指示や説明をし、自分で考えようとする機会を奪っていたことに気づかされました。私が勝手にやる気がないと決めつけていたのです。
　職場に戻ってからは、なるべく彼自身に任せようとしています。そんな折、ユーザーから「現状のシステムを説明してほしい」と依頼があったため、その説明を彼に任せました。私自身もそのシステムに不明な点があったため、事前に開発者に確認しておくように伝えていました。
　しかし、心配になり打ち合わせの前日に、そのデーターについて確認したところ、「それはこのシステムの集計対象になっていませんでした」と言うのです。納得できず、すぐにでも自分で開発者に問い合わせたいところでしたが、我慢して「もう一度、確認しなさい」と、強く言いました。
　どうやら開発者に口頭で聞いただけで確認したつもりになっていたようですが、今度はちゃんと資料を要求していました。そのデーターを見て、聞いた話とくい違うことがわかり、彼自身も実物で確認することの重要性に気づいたようでした。
　翌日の打ち合わせには資料を準備して臨み、説明するだけでなく、ユーザーに核心をついた質問をしていました。彼にはやりきる力があるのに、自分が任せていなかっただけでした。