現場から教えてもらう

「いいな」と思われたら押してください。

　無理だ！　具体的なやりかたを提示してほしい、説明資料を準備してほしいといった声が工場の担当者からすぐにあがってきました。
　工場見学のコース改善を進めていました。
　お客様へのホスピタリティの向上とともに、より良いコースを目指して工場の課題としてやりましょう！ と伝えると反対の声があがりました。
　私も工場にいたときは同じように本社に返していました。本社もつい目先の対応ばかり考えてその要望に応えてしまうのです。とっさに資料を作ろうとする自分を抑え「本社の指示を流れ作業でやろうとしていませんか？」 と気持ちをぶつけましたが、うまく進みません。
　これではいけない。「対象」はどうなっているのか！
　近くの工場見学ツアーに一般参加者として紛れ込み観察しました。その後で工場の担当者と話すと、イメージがわかない、本社の意図が現場に伝えきれず徒労に終わりそうといった本音を聞かせてくれました。方向性の提示や資料の配布だけで、思いを伝えた気になっていました。
　現場の声をもっと聞かなければ。
　部内メンバーで手分けして全国１０工場を訪問しました。私は４工場を回って１２０人の人たちに、今までのような机上のものではなく、お客様のニーズに応える現場発信のものにしようと話しました。
　ツアーバスに手を振ってご挨拶する例を出して、お客様から「工場の方が皆さん手を振ってくださったのが、とても気持ちがよかったです」と言っていただけたことも話しました。会社の本気感が伝わってきたと、みんな真剣に耳を傾けてくれました。
　自分たちもやってみようか、といった声があがってきました。