同じ間違いは決して繰り返さない

「いいな」と思われたら押してください。

　「御社であればこの商品が好評だと思います」
　駅の中の催事企画を担当していた私は、新たに出店の決まった菓子店の営業担当者と打ち合わせた際、どんな商品が売れると思うか聞かれ、自信を持ってそう提案しました。
　しかし実際にはその商品の売れ行きが悪く、菓子店側は、急きょ他の商品を用意したり、売れる商品とそうでない商品を組み合わせたセット販売をするなど、対応に追われました。
　事前にその菓子店のことをよく知ろうと、別の商業施設に入っている店舗の視察に行くなど、自分なりに調査をしてきたつもりでした。しかし私は商品の動向ばかりに目が行き、「ここで売れているのだから、駅の中でも売れるはずだ」と思い込んでいたのです。駅との立地の違いや客層がどうなっているのかを見ていませんでした。
　組革研の「Ｓ－２０」で「対象」がわかったつもりなって「こっちの方向に違いない」と進み、大失敗したことが蘇りました。菓子店や駅の中をわかったつもりになって進めた自分の責任を痛感し、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
　その後、別の菓子店の出店を担当することになりました。
　同じ間違いはもう決して繰り返さない！　自分にそう誓いました。
　出店区画に何度も行って、客層や売れ行きを調査しました。「これ、いくらぐらいだったらいいと思いますか？」「このパッケージはどう思いますか？」と聞かれたときは、迷いなくお答えすることができました。
　出店後もお客さまにとってもっと買いやすいようにと、ショーケースレイアウトの変更を提案し、売り上げにつなげることができました。