組革研体験した横浜ゴム株式会社新入社員の取り組み

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宇和紘志 27歳 タイヤ生産技術部 2017年入社

 カッコいい大人になりたい。
 これが僕の願望であり、目標でもあります。見た目のカッコよさという話しではなく、滲み出るカッコよさとでもいうのでしょうか。
 昨年2月の「組革研」に参加したとき、そんなカッコいい大人に出会いました。年齢は僕よりも一回り、いや二回りも上と思しき方がたで、役職も相当に高そうなお二人です。
 「S―20」の過程で、元来負けず嫌いの僕は「絶対に1着でゴールしてやる」という思いで、パートナーと一緒にコースを駆けずり回っていました。
 真冬の那須はとても寒く、いつしか雪が舞いはじめると、まだ20代の僕らでさえ、どんどん体力が奪われていくのを感じていました。そんなとき、トップ集団を行く僕らの行く手に必ず現れたのがそのお二人でした。
 正直最初のうちは、「所詮おじさん。体力も気力もこっちが上だ」と高を括っていたのですが、終盤に差し掛かり、再び出くわしたお二人の凄まじい形相にぎょっとさせられました。まさに血眼。しかも、猛烈な勢いで走りまくっているのです。
 これまでの仕事人生の中でさまざまな修羅場をくぐり抜けてきて、圧倒的な経験値があるであろう二人の企業人が、若い僕らと同じ土俵で全力で「S―20」に取り組んでいる。その姿を目の当たりにして、僕は思わず「かっこいい!」と心の中で叫んでいました。
 結局僕らが1位でゴールしたのですが、あのお二人の、すべてをかなぐり捨てたような必死の姿が目に焼きついて離れません。
 「50歳になろうが、60歳になろうが、俺もあんなふうに全力でものごとに対峙できる大人でありたい」。心底そう思ったものです。「組革研」を思い出すとき、まず思い浮かぶのがこの場面でした。
 そしてもう一つ、自分自身に大きなインパクトを与えた体験があります。「組革研」の初日は、「S―20」に関するものを「一覧一望」し、「わからないこと」をひたすら書き出す作業が行われます。その目標は上からおりてくるものではなく、チームで決めることになっていました。だから「このくらいならできるだろう」というほどほどの数に設定してもいいわけです。
 僕たちのチームも最初は「できそうな数字」を掲げ、個々に書き出していきました。その数字を仮に100件としておきましょう。ほどほどの数字だと思っていたら、それを見たブロックリーダーが、「お前たち、本当にそんな数しか出ないのか」と鬼の形相で詰め寄ってきました。
 「え? この人、本気じゃん」。
 チーム内には切羽詰まった空気が流れていました。結局チームで話し合い、目標を150件に上方修正しました。
 「やるしかない」。
 そのとき僕自身、はじめて本気になったような気がします。
 とは言え、150件などとても達成できる数字ではない、と当初は感じていました。しかし、チームのためにも自分のためにもやるしかないのです。そう思ったとたん、急にこの作業が「自分事」になったような気がしました。誰かがやってくれる。そんな考えは吹き飛び、自然と「自責」の念が生じてきたのです。そして、最初はとても無理だと思っていた150件をクリアし、さらに多くの疑問点を書き出していました。もしかしたら、目標が100件のままだったらクリアできていなかったかもしれません。
 「組革研」まえも、頭では「自分事化」「自責」というものが仕事において大切だということはわかっていました。上司からも散々言われていたことですから。
 でも、本当にはわかっていなかったのです。それが「組革研」で、到底無理だと思うくらいの高い目標を自ら掲げることで、それまで「他責」の感覚しかなかった仕事が、自然と「自分事化」し、全力を出せる、ということに気づいたのです。これは僕にとって大きな発見であり、驚きでした。
 現在、工場の歩留り向上の仕事をしています。自分の担当する仕事の目標だけなら設備のことだけを考えていればいいのですが、もっと大きな目標である工場全体の歩留りや品質ということを意識しているだけで、自分がやれることがたくさんあることに気がつき、関係部署とも協力しながらすすめることができています。
 この気づきは、その後の僕の仕事への向き合いかたに大きな影響を与えてくれました。全力を出すためには、目のまえの課題を他人事ではなく、「自分事」にしなくてはならない。そのためには目標を高く持つこと。それができれば、自然と全力が出せるのだと。あのカッコいいお二人のように。

脱・「三逆リーダー」
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