入社当初は、わからないことがあればどんな些細なことでも上司や先輩に聞いていました。それが新人の正しい姿勢だと思い込んでいたのです。はやく仕事を覚えたかったし、やる気も満々でした。それが安易に「聞く」「質問する」という行動につながっていたのだと思います。
しかし今年2月、「組織革新研究会(以下『組革研』)」に参加した私は、そうした姿勢、行動が根本的に間違っていることに気づかされました。「聞く」ことが自分を成長させると当たりまえのように考えていた私にとって、「組革研」での体験は自分自身を根底から見つめ直す日々となりました。
いま思い出すのは、とにかく眠かったこと。しかし私のチームは借金を背負ってしまったので、何とかしないと大変なことになる。眠くてしかたなかったけれど、「やるしかない」という気持ちのほうが勝りました。
どうすればいいのか? 打開策はどこにあるのか? 職場では人に解決策や答えを聞いてばかりいた自分が、追い込まれた状況の中で必死になって考え、あがき、行動している。そのとき、「あ、仕事ってこういうことなんだ」と、頭ではなく体で感じた気がしました。他にもさまざまな学びがありましたが、これが私にとって最大の収穫だったと思っています。
職場に戻った私は、極力「聞かない」ことを心がけるようになりました。わからないことがあれば、まず自分でとことん調べてみる。その上で考え抜く。それによって自分で解を見つけられることもあれば、結局見つからないこともあります。でも、自分で調べ、考えるようになったことで、課題に対する理解は確実に高まる気がしています。どうあがいてもわからないときは最終的に上司や先輩に尋ねますが、何もせずに聞いていた頃と今とではその後の理解の深さが全然変わってくるように思うのです。
もちろん失敗もあります。私が担当しているのはタイヤの設計ですが、知識だけではうまくいかない場面がけっこう多く、経験値がものをいう場合も多い。まだまだ経験の足りない私が自分で考え、動いてしまったことで、かえって周囲の足を引っ張ってしまったり、ミスを誘発することも正直あります。
ですが、私の上司や先輩はそれでも私に仕事を任せてくれます。上司からしたら、経験不足の新人にそれなりに大きな案件を任せることは怖いことだろうと思います。なのに「お前やってみろ」と言ってくれる。その環境がすごくありがたいと感じています。
任せられた以上、ギリギリのところまで自分の力で何とかするしかない。言われたとおりにやるだけなら、最終的にうまくいかなかっとしても誰かのせいにできます。でも、任せられた以上、自分の責任。自分で背負うしかない。誰のせいにもできなくなります。これは辛いけれど、そこを乗り越えて何とかやり遂げることができたとき、大きな達成感と感動を得られる。それが欲しくて、また頑張ろうと思う。こういうプラスのループを常に目指していきたい。そう考えています。
先日、後輩の新人が入ってきました。いつか私も「お前に任せる」と言える上司になりたいと思っています。
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