キャンパスリーダーの独り事

“自分の苦は誰かが解決してくれるトレーニング”  No.68

no68CL320.jpg ”楽は苦の種、苦は楽の種”を承知しながら、我われ人間は限りなく楽を求める。人間の歴史の一側面は楽化努力のそれであった。げんに産業の歩みは、人びとの「苦役からの解放」を高らかに謳っていた。今は亡き文明学者の梅棹さんが「科学・技術を前進させることは、性欲と同じように、コントロールできひん」と言っておられたが、「科学・技術」を「楽化努力」と代入すれば、この流れはこれからも連綿として続けられていくことになる。
 自動車、ネットの登場しかり、建物のドアーはもとより便器の蓋まで自動開閉かと思っていたら、こんどは車の自動運転だという。雨具の用意を自分で考えずともテレビの天気予報が事細かに指図してくれる。職場では、上司という人が全てを教えまくり、説明しまくり、指示しまくり、あれこれと世話をやきまくってくれる。
 この流れは、”自分の苦は誰かが解決してくれるトレーニング”そのものである。
 このコラムの前回(No.67。14.9.23.)は、人びとの”やってもらう病”という、異常気象現象ならぬ異常人間現象であった。この”病”は上記のような状況の下で自動発症してきたのではないか。自分事からの他人事への意識転換の体質化である。蔓延すれば、いや間違いなくしつつある、民主主義などと言ってはおられない。
 私のこの見かたが誤りであれば幸いだ。

14.10.14.

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