仕事の成果と人(部下)の成長はリーダー由来で一変する。こんなことは企業人にとっては釈迦に説法だと思うし、このコラムでも折々にふれているのだが、今また訴えたい。
企業内のリーダーはよく「部下を育てる、導く」と口にする。だがその実態は、部下の仕事力を削いでいく部下潰しだ。思いとは眞逆をやってしまっているのである。「1+4逆」とでも言おうか。
もとより当人にその自覚はない。だから大真面目でその方向に動くし、その努力は底なしだ。組革研のリーダー初体験にはこの体質が丸出しになって現われる。
「1逆」/仕事満足と部下満足(安易な欲求に応えることではない。自己実現を指す)のために存在するリーダーが、自分満足、それが短絡的な満足への努力に嵌っていることである。自己防衛意識がその柱になっているようだ。何よりも先んじて、自分の構えを安全地帯へと向けていく。たとえば、部下への嫌われないアプローチの最優先などがそれだ。
仕事満足と部下満足がもたらすもの、それこそがリーダーの眞の自分満足ではないかと思うのだが。
「4逆」/リーダーは部下に、考えろ考えろと言いながら、なぜあれほど相手かまわず、教えたがるのだろうか、説明したがるのだろうか、指示したがるのだろうか、世話をやきたがるのだろうか。幼稚園の先生並みの動きをする人さえいる。それをやるのがリーダーだと思い込んでいる、そうしないと部下は動かないと思い込んでいる、というよりも、そのような体質にプログラムされてしまっているかのようだ。
その体質こそが、部下の「人間力」をフリーズさせ、考えることを抑え、主体性、創造性、個性を削いでいることに気付くことなく。
念のため記す。教える、説明する、指示する、世話をやく、はゼロでよいと言っているのではない。不必要なそれが悪なのだ。企業内リーダーのその不必要は70~80パーセントにも達しているのではなかろうか。組革研HPの「一歩踏み出せた/現場から」でも、このへんのところは明らかであろう。
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