「ヘルパーの最大事はいかにヘルプしないかだ」――身内の主婦が介護ヘルパーの資格をとるための講座で教わった話しを拙書『人間力』で紹介した。
ヘルパーの使命は、その対象がたとえ一寸でも自立の方へと向かうようにすることにある。少なくとも現状以上のヘルプを要しないようにすることだ。リハビリテーションもそのためのものだ。ところがヘルプがその逆、その妨げの作用をもたらせてしまう。ヘルプされればされるほど、要介護者にとっては楽だ。ヘルプするほうも、どこまでやればよいかなど煩わしいことを考える要もない。こうして、ヘルプの需給バランスが成立してしまう。ここに、ますますの要ヘルプという悪循環が生じる。
厚労省がそこまで本当にわかっているかどうかはともあれ、相も変わらずやや行き過ぎの介護の広まりを懸念していたのだが、前記の理念をもった介護施設が存在することを知ることとなった。社会福祉法人「夢のみずうみ村」、代表は作業療法士の藤原茂氏である。
「手摺りがあって段差がない施設は、高齢者が自らがんばって身体を回復させようとする意欲を奪ってしまう。(中略。したがって)バリアを意図的に設けて、バリアの克服方法をマスター」(同施設のHPより)するというわけである。足の不自由な人でも、自分の食事は自分で歩いて運んでいる。
「バリアフリー」という世間の常識に対して、ここでは「バリアアリー」と称している。同施設の唯一の泣きどころは、要介護が軽くなって介護収入が減ってしまうことだそうだ。
「バリアを意図的に設けて」を除けば、事の本質は、組革研のマネジメント論と瓜二つではないか。
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