キャンパスリーダーの独り事

「参加させても変わらないのがいる。なぜか?」 
―― ご質問に応える②  No.65

no.65CL320.jpg 前週に続いてご質問に応えていきたい。上の見出しはその一つだが、これに類するものとして「組革研に参加して変革できない人は、何が原因か?」、「組革研で人間力を回復する人としない人の違いは何ですか」の二つがあった。字面から察するだけでは、いずれもが、組革研会期内でのことか職場に戻られてのことかは定かではない。
 組革研会期内での「変わる」と職場に戻ってからの「変わる」は同一視できず、後者こそが決定的に重要であることは申すまでもないが、今日のコラムでは、その前段階としての前者での「変わる」に限って応えてみたい。後者での「変わる」については機を改めたい。
 それには、大別すると二種があると思う。
 その一種は、持って生まれた「人間力」が解凍不能ちかくにまでカチカチにフリーズされてしまったらしき人である。「死ななきゃ直らない」という言があるが、事程左様、ロボット症もここに至るだ。
 ただし、この種の人はそれほど多くはない。
 もう一種は、右脳の働きの衰えからか、感性が弱ってもっぱら左脳で動いているらしき人である。当然のことながら、この人たちの動きの拠りどころは、自分の頭の中に収められている既存の知識だ。
 ところがこの知識は、大いなる正の働きとは裏腹に、ちょっと困った負の働きをそれを蓄える人にもたらす。「知識抗体化」作用と「知識固守化」作用である。
 前者は、あたかも予防接種のごときであって、人びとの頭に入った知識という”抗原”が、間もなく”抗体”と化し、その後により入ってくるであろう知識に対して免疫の作用をしてしまうらしいことである。もっとわかる、あるいは発見に連なる機会に遭遇しても、それを捉えるどころか、頭に詰まっている知識に囚われ、阻まれて、「新」を受け容れないか、たとえ受け容れてもそれを活性化させないように作用してしまうらしいことだ。
 後者は、あたかも既得権や財物のごときであって、自分の頭に入っている知識が侵されることを恐れ、汲々としてそれを守ろうとするらしいことである。
 この種の人は今日、少なくはない。
 組革研は、人びとに何かを詰め込む場ではない。実体験の中から己の有り様を発見する場である。私の、二種の激しい人への挑戦が不十分であることは論をまたない。

14.9.5.

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