フィンランドといえば教育先進国としても知られる国家だ。それがOECDの学習到達度調査においてその地位を下げてしまった。その事態に対して同国の国家教育委員会のピトゥカラ委員長が「『先生が教える』から『生徒が学ぶ』という文化に変える」と語っている、と昨年暮の朝日新聞は伝えていた。
やっとだなぁとこのニュースに気を良くして迎えた年明け、先に続けるかのように、元旦から6日までの朝日新聞第一面のトップは「年間企画・教育2014」と題して、改革の新生面を連載した。その中軸となっていたのが4日の「『教わる』からの卒業」。「近代の学校は大勢の生徒を一度に教えるスタイルをとってきた。(それを)一人ひとり学ぶ場」に変革しようとするものである。
その第一が「反転授業」。「事前にパソコンなどで講義ビデオを視聴し、授業では個別に反復学習や練習問題をする」。第二は「協働学習」。班で1台の端末を囲んで頭をつけあい、子どもどうしが議論しながら学んでいく。ここで主要なことは、正解のない問題が少なくないことだ。デンマークのウレスタッド・フリスコーレなどでは「どの教科でも教科書はほとんど使わない。自分たちで調べ、議論し、答を出すのが基本」になっているという。
事前の講義ビデオを[直面する諸問題]に置きかえたら、チームワーク学校(子どもたちのための組織革新研究会)とそっくりになってくる。「数百年続いた『先生が教える』文化が『生徒が学ぶ』文化に変わりつつある」とヘルシンキ大学のシントネン准教授が言っているそうだ。
教育大変革の夜明けが近づいていると見てよいのだろうか。だとすると、私の積年にわたる主唱が日の目を見ることになる。初夢で終わらないことを祈る。
今までの日本でも、教育改革論はことあるごとに国家の大テーマとなってきた。しかしその中味は言葉とは裏腹、例えばゆとりがどうのこうの等であって、教える文化の枠内での匙加減に終始した。無理もない、その枠内で育った人たちの発想なのだから。
「学ぶのやらせ」は学ぶに非ずして今までの授業のバリエーションにすぎない。「学ぶ」のキーポイントは学ぶ側の[その気]と[ニーズ]だ。子どもたちの中にそれらが生まれるようにするのは、容易な業ではない。そこで教師に求められるものは、教え力よりもマネジメント力である。
そのような大変革、一直線に事をはこぶのはまずは不可能だ。必ずや大問題にぶつかるであろう。そのときにはチームワーク学校での発想とやり方を見てほしい、と言ったら我田引水も過ぎるだろうか。
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