キャンパスリーダーの独り事

「性善」と「性悪」が綱引きをやっている  No.53

CL320no53.jpg 先日、私がスピーチを終えたところ、「やはり『性善説』ですか?『性悪説』ではありませんよね」と迫られた。50歳ぐらいのいかにも自任インテリとおぼしき人からであった。私は即座に「両方説ですよ。『性善悪説』ですよ」と応えた。この御仁、納得しかねると口にこそ出さなかったが、不満気な面持ちでその場を去って行った。
 この種の人は今日、口に出すか出さぬかはともかく、数知れぬようだ。新しい事態に直面しても、新しい体験に巡り合っても、新しい知識に接しても、それを、自分の頭の中の既成の引き出しのどこかにおさめてそれで御仕舞い、としてしまうのである。私がよく口にする「知識抗体」現象である。これでは創造性ゼロに等しく、改革とは無縁だ。 
                 □
 「性善説」と「性悪説」という対立する人間観、前者は孟子の後者は荀子の性説であることだけはとうに承知していたが、私はそれ以上に深く知るわけではない。その程度の理解の上のことだし、こんな途轍もなく高名な思想家の人間観について云々するのは恐れ多きの極みだが、ここはあえて言う。両大先学とも片手落ちだ。
 我われ人間は、性善と性悪という一見矛盾するかのような両方の本性を抱えて現実を生き抜いているのではなかろうか。立派であろうとがんばりつつ、ついついだめなほうに流れてしまうのが我われの実態なのではなかろうか。人間とは何とも素晴らしく何ともだめな存在なのだ。一人ひとりの中で性善と性悪が綱引きをやっているのであって、ときには性善が勝ち、ときにはついつい性悪が勝ってしまう。自分自身と向き合ってみて、そして多くの人たちを観るにつけ、つくづくとそう思えてならない。

14.6.2.

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