誰もが自己実現を目指して、日々それなりに頑張っているのだと察する。 ところが、人びとのその頑張りを狂わせている三つの途方もなく大きな “常識” が世を覆っているのである。 「仕事観」 「人間観」 「教育観」がそれだ。
今回は 「仕事観」をめぐって記してみたい。
以下に紹介するのは、組革研でまともな仕事観に目覚めた喜多川智一さん(マツダNVH性能開発部)が、先日の 「組革研デイリーメール」に寄稿されたものである。
組革研は、小林茂 (かつてのソニーの常務取締役)を初代キャンパスリーダーとし、氏による同社厚木工場での人と組織の一大変革の巨歩を “種火” とし、同時にそれを叩き台として、さらに普遍の途を求めて創立されたのであった。
上の引用文中の 「あれは夢だったのかもしれない」は、厚木工場の変革途上でのトイレ掃除のおばさんが、その4、50年後に、当時を思い出して口にしたものである。 工場に早く出かけたくて気がせく毎朝であったそうだ。
ついでに記す。 半年ほど前のテレビ東京の 『開運! なんでも鑑定団』に、今は介護ボランティアに従事する72歳のおばさんが登場した。 画面にはなぜか 「ソニー厚木工場」の文字がでかでかと出た。 お宝はソニー坊やの人形。 司会者の指値はいくらですか? に応えて、 「値段はどうでもいいんです。 ソニー、エスオーエヌワイで働いていたということが、私にとっての誇りなんです」とズバリと言い放った。 東北地方から “就職列車” に乗ってこの工場に集団就職してきた、かつてのかわいかった女の子の今に違いない。
なんと素晴しい人生を過ごした人たちであろうか。
私は、 「仕事」は人生そのものだと断言する。 その大部分ではないが一部などという小さなものではない。 なにしろほとんどの人びとにとって、就業年齢は人生の充実期の全部ではないか。 しかも毎日の、生理活動を除けばその大部分ではないか。
だが、 「ライフ・ワーク・バランス」などという “常識” が世間を覆っているのだ。 私生活と仕事のバランスは元より大事だ。 しかしこの言い回しには、人生と仕事が対立関係にあるかのようなニュアンスがありはしないか。
さらに加えて昨今、 「働き方改革」なるキャンペーンがやたらと目に付く。 その中味といえば働く時間のことばかりだ。 そんな程度のことを改革というのか。
働き方の 「改革」とは、働き方の質、即ち 「一人ひとりの仕事への向き合いかた」の改革であってほしい。 私はそれを 「人・仕事関係」と表現して、組革研で実践している。
只今、サイトの更新を一時停止しております。
改めて更新を再開する予定ですので、少々お待ち下さいませ。
どうぞ宜しくお願い致します。
対談 あなたの会社はなぜ『メンタル不調』者を量産してるの
著者:藤田英夫・𠮷野 聡 発行:シンポジオン 発売:三省堂書店/創英社
脱「三逆リーダー」
藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社
「個全システム」によるミーティング革新
藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社
不感症体質に挑む「人間力」全員経営
藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店
経営の創造
藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店
第3の組織論
小林 茂 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店
人間力をフリーズさせているものの正体
藤田 英夫 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店
人間力―そこにどう火を点けるか
藤田 英夫 (著) NTT出版
人を人として―指示待ち人間を目覚めさせるもの
藤田 英夫 (著) PHP研究所
「状況」が人を動かす―管理からリードへ
藤田 英夫 (著) 毎日新聞社
Copyright ©2018 MANAGEMENT CENTER Inc. All Right Reserved.