第1ステップ 「個」の顕在化の次は、第2ステップの 「全」である。
「全」は 「個」の 「一覧一望」から始まる。
「一覧一望」とは、それぞれが書(描)いたものを、みんながひと目で見渡せるように、並べて貼り出すことだ。 できるかぎりあちこちと動かずとも見渡せるようにしたい。
そのうえで、それぞれの紙に書(描)かれている内容の不明瞭な点について、互いに聞き合い、応え合う。
ここで議論してはならない。
「一覧一望」の次は 「評価」、具体的には 「X 打ち」である。
一人ひとりが、「一覧一望」の中の一枚一枚の紙に書(描)かれている内容について、間違ってはいないか、誤っているのではないかと思われるものに、X を打っていく。 〇を打つのは極力避けたい。
話し合いながらではなく、それぞれが独断でやること。
意図するところは、議論の深掘りのきっかけづくりにある。 人間の頭の外観はほぼ均一だが、その中身となると相当に異なる。 その異なる視点を、書かれている内容に投影し、あるいはぶつけていくことだ。
誰もが、自分で自分のやっていることを評価するのはむずかしい。 だが 「自分の頭の上の蝿も追えぬのに、他のそれを追うことはできる」。 それである。我われ人間の頭の働きやものの見かたは、生徒的立場にあるときと先生的立場になったときでは変わるようだ。
X を打たれたほうは、内心こんちくしょうと思いつつも、それをクリアにして、相手を納得させようと考える。 X を打ったほうは、他を評価したことによって、より深く考え始める。 いつの間にか、責任感をも意識しだし、自分はそれ以上であらねばならないと考え始める。 これを互いにやり合っていくわけである。
〇打ちによっては、このような効果は期待できない。いい気になって、事をあやふやにしていくだけだ。
X 打ちに際しての留意点を記しておく。
「評価」の次は 「討論」、みんなで決着を付けるべく議論していくことになる。
こここそが 「個全システム」のクライマックスである。 そのためにこそ、それまでのプロセスが重要なのだ。 それぞれの差異がぶつかり合って相互作用し、互いに、自分の座標からは見えていなかった視点が増殖されていくという連鎖反応を起こし、それによって、思いを共有し、目標に向かっていこうとする気が昂揚していくのである。
( 『人を人として』 第七章二より抜粋、加筆)
只今、サイトの更新を一時停止しております。
改めて更新を再開する予定ですので、少々お待ち下さいませ。
どうぞ宜しくお願い致します。
対談 あなたの会社はなぜ『メンタル不調』者を量産してるの
著者:藤田英夫・𠮷野 聡 発行:シンポジオン 発売:三省堂書店/創英社
脱「三逆リーダー」
藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社
「個全システム」によるミーティング革新
藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社
不感症体質に挑む「人間力」全員経営
藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店
経営の創造
藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店
第3の組織論
小林 茂 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店
人間力をフリーズさせているものの正体
藤田 英夫 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店
人間力―そこにどう火を点けるか
藤田 英夫 (著) NTT出版
人を人として―指示待ち人間を目覚めさせるもの
藤田 英夫 (著) PHP研究所
「状況」が人を動かす―管理からリードへ
藤田 英夫 (著) 毎日新聞社
Copyright ©2018 MANAGEMENT CENTER Inc. All Right Reserved.