横から目線の組織化の威力について 「横から教え合う」 を例にしてふえんしておこう。
その主たる場は、当然のことながらミーティングになる。 そこでは、教え合うと言っても教えるという形式をとるわけではない。 だから、互いに教わったとは思わない。 ここが重要なところだ。
この着眼点は、何事につけても他人の状態についてはよく見える、というところにある。 つまり、自分事については自分に都合よく見て解釈してしまうのだが、他人事についてはクールに評価し、指摘することができる、ということだ。
たとえ自分もよく似た間違いをしている場合でも、自分のそれには気づかないのに他のそれは見抜いてしまう、という力が我われにはあるらしい。 自分の 「頭の上の蝿も追えぬ」 のに他人のそれは 「追える」 わけだ。 組革研では、互いに同じ間違いを同時に指摘し合って、互いに笑ってしまうことさえある。
我われ人間の頭の働きかたは、生徒的立場にあるときと、他人事を評価・指摘するという先生的立場にあるときでは、一転してしまうのではないかと思えてくる。
あまりにも滑稽なこの力を活用するわけである。 そのミーティングのやりかたを 「個全システム」 と呼んでいる。
横から教えられることには権威がない。 疑いが付きまとって鵜呑みにはできない。 そこが素晴しいのだ。 自ずとその疑問を解こうとするからである。 そして、その結果としての産物は自分のものになっていく。
指摘したほうにとってもまた素晴しい。 それによって自ずと自分自身もより深くわかっていくからである。
もちろん、高度な問題、あるいは未知の領域の場合にはこうはいかない。 しかし、企業の中、学校の中、家庭の中の一般的なことであれば、“上” から教えたいことの3分の2はこれによって教えることができる。 残りの3分の1はそれこそ教えてしまえばよい。 人びとの側に、知ろうとする主体的なニーズができているのだから。
( 『人を人として』 第七章一より抜粋、加筆)
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